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AI開発ベンダー選びで失敗しないための7つの質問

目次

  1. はじめに
  2. なぜベンダー選定で失敗が起こるのか?
  3. 質問①:このベンダーは「業務」を理解しているか?
  4. 質問②:「成果物の範囲」と「成果の定義」が明確か?
  5. 質問③:PoCではなく、実装経験があるか?
  6. 質問④:プロジェクトマネジメント体制はどうか?
  7. 質問⑤:納品後の運用・改善も支援できるか?
  8. 質問⑥:技術以外の“共感力”があるか?
  9. 質問⑦:価格だけで判断していないか?
  10. まとめ

1. はじめに

AI開発の委託先を選ぶとき、見積と提案書だけで判断していませんか?

実は、多くのAIプロジェクトが「ベンダー選定のミス」でつまずいています。技術力はあっても、業務理解やプロジェクト運営、活用フェーズまで含めた総合力が欠けていると、PoC止まりになり、結果が出ません。

この記事では、AI開発のパートナーを選ぶ際に必ず確認すべき“7つの質問”を通じて、選定の基準と注意点をわかりやすく解説します。


2. なぜベンダー選定で失敗が起こるのか?

  • 技術力だけで判断してしまう:AIの専門用語や最新技術に強いが、業務理解や実装力が乏しいケース
  • 提案内容が“実装”まで見えていない:PoC止まり、デモ止まりで、業務活用には進まない
  • 進行体制が弱く、プロジェクトが迷走する:要件整理や社内調整がベンダー任せにできない
  • 納品して終わるスタンス:運用フェーズで支援がなく、社内にノウハウが残らない

ベンダー選定は、“技術力+業務理解+伴走力”の3点セットで見ることが重要です。


3. 質問①:このベンダーは「業務」を理解しているか?

AIを業務に活用するには、単にモデルをつくるだけでは不十分です。

  • ベンダーはあなたの業界・業務の構造やKPIを理解しているか?
  • 業務プロセスや実際の意思決定に沿った提案がされているか?

“業務に使えるAI”をつくるには、“業務を理解しているベンダー”が必要です。


4. 質問②:「成果物の範囲」と「成果の定義」が明確か?

提案書や見積書に、以下のような情報が明記されているかを確認しましょう:

  • 成果物は何か?(モデル、ダッシュボード、運用ドキュメントなど)
  • 成果の判断基準は何か?(精度90%以上?活用部門の定着?)
  • 成果に至るまでのスケジュールとマイルストーンがあるか?

あいまいな成果定義は、後のトラブルのもとになります。最初の段階で明文化できるベンダーかが重要です。


5. 質問③:PoCではなく、実装経験があるか?

AIベンダーの中には、「PoC止まり」の実績しかないケースもあります。

  • 本番環境への組み込み実績があるか?
  • セキュリティ・データ連携・UI統合まで手がけた経験があるか?
  • 実装後の運用改善やユーザートレーニングまで支援した実績があるか?

PoCで終わらせず、“使われる仕組み”までつくれるかが見極めのポイントです。


6. 質問④:プロジェクトマネジメント体制はどうか?

AI開発は「つくって終わり」ではなく、多くの関係者が関与する長期的なプロジェクトになります。

  • 専任のプロジェクトマネージャー(PM)は配置されているか?
  • プロジェクトの進行管理・課題管理のフローは明示されているか?
  • 週次/月次での定例報告やコミュニケーション設計はどうなっているか?

進行管理の仕組みがないと、途中で目的がずれたり、納期が遅延するリスクが高くなります。


7. 質問⑤:納品後の運用・改善も支援できるか?

AIは導入して終わりではありません。モデルの精度改善、ユーザーのフィードバック反映など、運用フェーズこそ重要です。

  • モデルの再学習や改善に対応できるか?
  • UI/UXのチューニングや、利活用状況のモニタリング体制はあるか?
  • 社内人材へのノウハウ移管や教育支援まで視野に入っているか?

継続的に改善できる“長期パートナー”としての視点があるかを確認しましょう。


8. 質問⑥:技術以外の“共感力”があるか?

AI導入は現場の協力が不可欠です。ベンダーが“使う人”の立場に共感し、伴走できるかどうかも重要な視点です。

  • 現場ヒアリングに時間を割き、丁寧に対応してくれるか?
  • 技術用語を噛み砕いて説明し、理解を促す工夫があるか?
  • クライアントの“できる/できない”に寄り添った提案があるか?

技術よりも「対話力」や「現場感覚」の方がプロジェクト成功の鍵になることも多いのです。


9. 質問⑦:価格だけで判断していないか?

AI開発は“成果が出るかどうか”が何より重要です。

  • 見積の妥当性は「何にどれだけかかるか」で説明されているか?
  • 他社より安くても、品質・支援範囲が狭くないか?
  • 本当に必要なフェーズ(設計、PoC、実装、運用)をカバーできているか?

価格の安さではなく、「期待成果に対して適正かどうか」で判断しましょう。


10. まとめ

AI開発ベンダー選びは、単なる“委託先選定”ではなく、パートナー選びです。

  • 技術力だけでなく、業務理解・実装経験・運用支援の総合力があるか?
  • 成果定義と役割分担が明確か?
  • 共感力と対話力を持ったチームか?

この7つの質問を通じて、「自社にとって本当に信頼できるAIパートナー」を見極めましょう。

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