AIコンサルティング

業務改善の一手先にAIがある──段階的コンサルの進め方

目次

  1. はじめに
  2. AI導入=いきなり高度な技術、ではない
  3. 業務改善とAI導入をつなぐ“3段階ステップ”
  4. 第1段階:業務の可視化とボトルネック整理
  5. 第2段階:自動化・効率化ツールの導入(非AI)
  6. 第3段階:AIの活用設計とPoCの実行
  7. よくある質問(Q&A)
  8. まとめ

1. はじめに

「AIを導入したい」と考えても、どこから始めればいいか分からない──。その答えは、「業務改善から始める」ことです。この記事では、業務改善とAI導入を段階的に結びつけ、無理なくスムーズに成果へつなげる“ステップ型コンサル”の考え方を解説します。


2. AI導入=いきなり高度な技術、ではない

AIと聞くと「難しそう」「うちには早い」と感じる方も多いですが、実際のAI導入は:

  • 高度なアルゴリズム開発から始めるものではなく
  • 現場の課題に沿って、段階的に整えていく

という流れが一般的です。

AIは“仕組み”です。 業務の流れや課題を整理せずにいきなり導入しても、定着や成果にはつながりません。


3. 業務改善とAI導入をつなぐ“3段階ステップ”

段階的なAI導入の進め方として、以下の3ステップが有効です:

  1. 業務の可視化とボトルネックの整理
  2. 非AIのデジタルツールによる自動化・効率化
  3. AIを使った業務設計とPoCの実施

この順番で進めることで、「現場理解 → データ整備 → AI活用」という自然な流れが生まれます。


4. 第1段階:業務の可視化とボトルネック整理

最初に取り組むべきは、“現状を知る”ことです。

  • 業務一覧を書き出し、分類・頻度・関係部署を整理
  • 時間がかかっている業務、属人化している業務を洗い出す
  • 業務ごとのインプット・アウトプットを明確にする

この作業を通じて:

  • 改善の優先順位が見える
  • AIが効果を出しやすい箇所が分かる

つまり、AI導入の土台となる“業務設計”がこの段階で整います。


5. 第2段階:自動化・効率化ツールの導入(非AI)

AI導入前に、多くの企業が効果を上げているのが“非AIツール”の活用です。

  • RPA(定型作業の自動化)
  • チャットボット(社内問合せの効率化)
  • フォーム・ワークフロー(申請・集計業務の省力化)

これらは導入ハードルが低く、短期間で効果が見えやすいため:

  • 「変化に慣れる」土壌をつくる
  • データの構造化・標準化につながる

結果的に、AI導入の前段階として非常に有効なステップとなります。


6. 第3段階:AIの活用設計とPoCの実行

非AIツールで業務の構造が整ったら、いよいよAIの出番です。

この段階では:

  • 業務課題に対してAIで解決できるかを見極める
  • 判断ルールや入力データの整備を行う
  • PoC(小規模検証)を実施し、精度や効果を測定

AIを導入する目的は、「すべてを自動化すること」ではなく:

  • 判断の支援
  • 類似パターンの検出
  • 業務の高速化や質の安定化

など、業務の“質”を上げるためのツールとして使うことが重要です。


7. よくある質問(Q&A)

Q. 段階的に進めると時間がかかるのでは?
A. 確かに全社導入までは段階を踏みますが、各ステップで効果が見えるため、短期成果と長期効果の両立が可能です。

Q. 非AIツールだけで十分では?
A. 一部業務には非AIでも十分ですが、「判断・予測・分類」が絡む業務ではAIが力を発揮します。

Q. すぐにAIを導入したいのですが、前段階を飛ばせませんか?
A. 飛ばすと“業務とのズレ”が起こり、活用されないリスクが高まります。段階を踏む方が結果的にスムーズです。


8. まとめ

AI導入は、「技術の導入」ではなく「業務の進化プロセス」です。

  • いきなりAIではなく、業務の可視化と整備から
  • 段階的に整えることで、現場も巻き込める
  • 非AI → AIへの流れが、自然で確実な成果につながる

無理なく、ムダなく、確実に進めるために。 “業務改善の一手先にAI”という設計思想が、最も現実的なアプローチです。

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