目次
- はじめに
- ITベンダーは「つくる」、AIコンサルは「使わせる」
- プロダクト中心とプロセス中心の違い
- どんな企業がAIコンサルを必要とするのか?
- 失敗を防ぐ“役割の切り分け”と依頼のしかた
- 成功する企業がやっているベンダー×コンサルの併用戦略
- よくある質問(Q&A)
- まとめ
1. はじめに
「AIはITベンダーに依頼すれば導入できるのでは?」 「AIコンサルと開発会社って、何が違うの?」こうした疑問を持つ企業は多いですが、両者の役割と成果には大きな違いがあります。この記事では、「AIコンサルとITベンダーの違い」を構造的に整理し、どんな企業にどちらが必要なのか、失敗しない外部活用の考え方を紹介します。
2. ITベンダーは「つくる」、AIコンサルは「使わせる」
最もシンプルな違いは、目的の方向性です。
- ITベンダー:依頼された機能を「作ること」が目的
- AIコンサル:業務改善や戦略支援のために「使わせること」が目的
AIを使うことで成果を出すには、「どこにどう使うと効果があるのか」という設計が不可欠。
ITベンダーは“開発の専門家”、 AIコンサルは“目的達成の伴走者”として機能します。
3. プロダクト中心とプロセス中心の違い
| 比較軸 | ITベンダー | AIコンサル |
|---|---|---|
| 主体 | ツール・システム | 業務・人・文化 |
| 目標 | 要件どおりの開発 | 活用による改善・変革 |
| 成果物 | アプリ、システム | 運用、仕組み、行動変容 |
| 協議相手 | 情報システム部門 | 経営層・現場・横断部署 |
AIの導入は、技術だけでなく人と業務を変える活動。 「つくるだけでは使われない」という現実に対処するのがAIコンサルです。
4. どんな企業がAIコンサルを必要とするのか?
AIコンサルが特に効果を発揮するのは、次のような企業です:
- AIの“使いどころ”が分からない(課題と技術の接続支援が必要)
- 社内にデータや体制が整っていない(土台整備から支援)
- 導入経験がなく、PoCの設計も手探り(ステップ設計が重要)
- 現場との温度差が大きい(合意形成のファシリテーターが必要)
ITベンダーでは補えない“見えない部分”を扱うのが、AIコンサルの役割です。
5. 失敗を防ぐ“役割の切り分け”と依頼のしかた
プロジェクトの中で「誰が何を担うか」を曖昧にしたまま進めると、AI導入は高確率で失敗します。
適切な切り分け例:
- AIコンサル:課題整理/導入設計/データ可視化/PoC設計/合意形成/定着支援
- ITベンダー:システム構築/データ連携/運用保守/セキュリティ対応
このように、目的と得意領域に応じて依頼先を分けることが、結果的にコストも成果も最大化します。
6. 成功する企業がやっているベンダー×コンサルの併用戦略
優れた企業ほど、ベンダーとコンサルをこう使い分けています:
- AIコンサルとともにPoCや導入設計を行い、
- 設計確定後に、ITベンダーに開発と実装を発注する
- 導入後も、コンサルが運用評価や改善を支援する
この“分業と連携”ができることで:
- 現場の納得感が高まり
- 予算・体制も現実的に分けやすくなり
- 継続的な運用が可能になります
7. よくある質問(Q&A)
Q. コンサルとベンダーの両方に頼むと高くなりませんか?
A. むしろ“役割ごとに依頼する方がコスパがよくなる”ことが多いです。最初から開発依頼すると「やり直しコスト」が高くつく傾向があります。
Q. どちらに先に相談するのが良いですか?
A. 「何をどうしたらいいか分からない」場合はAIコンサルへ。「構想が固まっていて、開発フェーズに入っている」場合はITベンダーへ。
Q. 一社で両方やってくれるところはないの?
A. ありますが、“戦略と開発を分けて考える”ことで、バランスのよい判断ができるケースが多いです。
8. まとめ
AIコンサルとITベンダーは、“目的も手段も成果の出方も異なる”存在です。
- ベンダーは「作る」、コンサルは「使わせる」
- システムよりも先に、設計・合意・運用設計が必要
- 役割分担と連携ができれば、成果もコストも最適化できる
AI導入における外部活用は、“分けて、連携する”視点が鍵です。 自社に足りない視点・機能を補うパートナー選びが、成功の第一歩となります。